和文様生成プラグイン「SHIBAINU」って?使ってみた感想とそれぞれの特徴をまとめてみた

Grasshopper

こんにちは。今回は建築家・高木秀太さんによって開発された日本の伝統模様”和文様”を簡単に生成できてしまうプラグイン「SHIBAINU」(https://www.food4rhino.com/en/app/shibainu)について使ってみた感想含めて紹介していきます。

高木秀太さんと言えば、建築家兼プログラマという二つの肩書きがあることで知られていますが、grasshopperで和文様が作れるプラグインに日本の有名な和犬である”柴犬”を名前に用いるというのはとても素敵ですね。

まだリリース(2021/5/23)されたばかりですが、ロゴもとても可愛くて早速ダウンロードして使ってみました。

コンポーネントの紹介

どのコンポーネントも入力端子と出力端子が同一で、誰でも簡単にすぐ使えるように設計されているので、とても使いやすいと思います。

入力端子はRectangle(長方形の範囲)とU(X軸方向のパターン数)とV(Y軸方向パターン数)の3つで共通しています。

使い方としてはRectangleに長方形のモデルを入れます。CurveのPrimitiveにあるRectangleコンポーネントを使用すると、すぐに生成可能です。X sizeとY sizeにそれぞれ作りたい大きさの値を入れるだけでできます。

出力される形式としてはSurfaceなので、Curveコンポーネントにつないでエッジの線を取り出すこともできます。

ではそれぞれのコンポーネントと現れる和文様について簡単に紹介していきます。

網代:Ajiro

網代というのは薄めに細く加工された木や竹といったような植物を縦横交互に編み込んで出来上がるような模様のことだそうです。元々の名前の由来は「網の代わり」から来たもので、川に立てられた魚を捕るための罠仕掛けであるそうです。

単位(1×1)としては以下のような構成であり、他のコンポーネントも同じですが、UとVそれぞれに入力された値で長方形の各辺を何分割するかでこの文様が決定されています。UとVに関しては何もつないでいない状態で、どちらも10が入力されています。

出力端子に関しては、上のSurfaceからは内側のサーフェスで長方形をしていて、下のSurfaceからは周縁部の三角形をしたサーフェスが出力されるようです。

網目:Amime

二つ目の網目文様は、名前の通り網の目のような形をした文様です。由来としてはそのままですが漁師が使っている網の目から来たそうです。江戸時代で流行し、漁師や魚市場では好まれて使われていたようです。

単位(1×1)としては以下のような構成です。UとVに関しては何もつないでいない状態で、どちらも10が入力されています。

出力端子に関しても、一つ目の網代と同様に、内側のサーフェスと周縁部のサーフェスに分かれています。

麻の葉:Asanoha

麻の葉という名前のこの文様は、大麻の葉の形をモチーフとして作られた、日本の伝統的文様の一つです。組子細工などで見たことある人も多いとは思いますが、六角形をベースとした幾何学模様です。五角形になった「麻の葉桔梗」や白と黒(図と地)が反転している「陰麻の葉」といったように、種類としてはたくさんあるようですが、六角形のパターンが家紋や伝統工芸にも用いられて一般的に知られる形です。

単位(1×1)としては以下のような構成です。他の文様と違う点として、細かい文様のためか何もつないでいない状態で、UとVにどちらも5が入力されています。

出力端子に関しては、内側のサーフェスと周縁部のサーフェスに分かれています。

UとVの数値が違うと、全く違う印象の文様になりました。

市松:Ichimastu

市松模様と言えば、「鬼〇の刃」の主人公の服にも使われていて話題になった格子模様ですね。実は古墳時代の埴輪や法隆寺の装飾品などにも使用されるくらい古来からある模様で、野老朝雄さんがデザインした2020東京オリンピック・パラリンピックのロゴにもモチーフとされるといったように、昔から現代に至るまで日本で長く親しまれている文様です。

単位(1×1)としては以下のような構成です。とは言っても四角形がグリッド状に並ぶ形なので、元のRectangleが正方形だったら、単位形も正方形になります。UとVに関しては何もつないでいない状態で、どちらも10が入力されています。

この文様の出力端子に関してはこれまでの文様と異なり、RectanglesARectanglesBで交互に並ぶようにサーフェスが分かれています。

籠目:Kagome

名前に使われているように、この文様は竹などで編まれた籠の目から来ている形です。使い方によってそれぞれ違ったパターンが存在するようですが、連続した籠目の文様というのは、魔除けの効果を持っているといわれているようです。

UとVにそれぞれ1を入れたら以下のような形になりますが、出力されていないサーフェスもあります。六角形が基となってパターンが構成されているようです。UとVに関しては何もつないでいない状態で、どちらも10が入力されています。

Uに1、Vに2をそれぞれ入れたら全ての出力端子から出力されました。出力端子は全部で4つあり、Hexagons, Half Hexagons, Triangles, Half Trianglesがあります。Hexagonsは下の画像のように、六角形として成立している部分です。

上下で六角形と三角形が反転するような構成になっていて、Half Hexagonsは、六角形を半分にしたような形になっています。Triangles, Half Trianglesに関しても同様です。

Trianglesの出力

Half Trianglesの出力

青海波:Seigaiha

冒頭でも少しお見せしましたが、青海波と呼ばれる文様です。古代ペルシャからシルクロードを経て日本に伝わったとされているらしく、その歴史は飛鳥時代にも遡るようです。平和な暮らしと永遠と続く幸せへの願いが込められた文様で、とても縁起の良いものとされています。

単位(1×1)としては以下のような構成です。UとVに関しては横長に連続するのパターンなので、何もつないでいない状態で、Uに5、Vに10が入力されています。

出力端子に関しては、内側のサーフェス(waves)と半分で途切れている周縁部のサーフェス(Half Waves)に分かれています。

七宝:Shippou

七宝繋ぎなどとも呼ばれるこの文様は、由来としては仏教の教典で登場する七つの宝(金・銀・瑠璃(るり)・玻璃(はり)・珊瑚・瑪瑙(めのう)・硨磲)から来ています。円満という意味を表していて縁起の良いものとして扱われているようです。

単位(1×1)としては以下のような構成です。UとVに関しては何もつないでいない状態で、どちらも10が入力されています。

出力端子に関しては、内側のサーフェス(Circles)と周縁部のサーフェス(Waves)に分かれています。

立涌:Tatewaku

左右対称な2本1組の曲線によって構成されたこの文様は、水蒸気が立ち上る様子を表したもので、これも縁起が良いものとされています。立涌文様は格式高い文様で身に着けることのできる文様自体が階級によって決定されていたようです。

単位(1×1)としては以下のような構成です。UとVに関しては何もつないでいない状態で、どちらも10が入力されています。

出力端子に関しては、内側のサーフェス(Bands)と周縁部のサーフェス(Half Bands)に分かれています。

鱗:Uroko

この文様は、三角形(正確には正三角形もしくは二等辺三角形)によって成り立つ文様で、魚だったり、ヘビだったりの鱗の形を型取ったものです。能や歌舞伎では、ヘビの化身の衣装などにも使われているようです。古墳時代の埴輪にも使われるくらい歴史の長い文様ですが、近世からは女性の心に住み着く鬼を戒めるための、厄除けとしての意味を持って装束に用いられていたようです。

「籠目」と同様に、UとVにそれぞれ1を入れたら以下のような形になりますが、出力されていないサーフェスもあります。UとVに関しては何もつないでいない状態で、どちらも10が入力されています。

これまた「籠目」同様に、Uに1、Vに2をそれぞれ入れたら全ての出力端子から出力されました。出力端子は全部で4つあり、Triangles, Half Triangles, Reverse Triangles, Reverse Half Trianglesがあります。細かく分類して出力可能で、Trianglesは下の画像のように成立している部分です。

Half Trianglesは以下のような部分です。

Reverse Trianglesは以下のような部分です。

Reverse Half Trianglesは以下のような部分です。

矢絣:Yagasuri

矢の羽根を模した形によって構成された文様です。絣とは、縦糸(たていと)と緯糸(よこいと)によって織り上げることで文様を浮かび上がらせる織物技法の一つです。全て同じ方向を向いているものと、2列おきに向きが反転するものなどがあるようですが、このコンポーネントでは全て同じ方向に向くパターンのものです。矢が戻らずに真っ直ぐに突き進むということから縁起物によく使われます。

UとVにそれぞれ1を入れたら以下のような形になりますが、出力されていないサーフェスもあります。平行四辺形が基となってパターンが構成されているようです。UとVに関しては「青海波」とは逆で、縦長に連続するのパターンなので、何もつないでいない状態で、Uに10、Vに5が入力されています。

Uに2、Vに1をそれぞれ入れたら全ての出力端子から出力されました。出力端子は全部で4つあり、Parallelograms A, Triangles A, Parallelograms B, Triangles Bがあります。Parallelograms Aは下の画像のように、線対称の平行四辺形を合わせた形として成立している部分です。

Triangles Aは以下のような部分です。

Parallelograms Bは以下のような部分です。2列毎に出力可能になっていますね。

Triangles Bは以下のような部分です。

おわりに

今回は高木秀太さんの事務所で開発されたgrasshopperプラグイン「SHIBAINU」(https://www.food4rhino.com/en/app/shibainu)を使ってみました。このプラグインを使って色々形を作ってみて、また何か出来たらブログに上げていこうと思います。

プラグインも随時更新されて和文様も増えていくようなので、これからどんな文様が追加されていくのかとても楽しみです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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